フラッシュドアの中身

フラッシュドアの内部

フラッシュドア ドアの注文 人気のドア

 オーダードア.comで主に製造販売している扉は「フラッシュドア」です。

 フラッシュ(flush)とは「平面」という意味で、
「フラッシュドア」とは、表面を平らに仕上げたドアのことです。

フラッシュドアって一枚の木の板じゃないの?

様々な色柄・サイズ・デザインのフラッシュドア

「ドアって一枚の木の板ではないのですか?」とお尋ねいただいたことがあります。

 実は、一枚板ではないドアが主流なんです。

主流となっている平面タイプのドアは、芯材を組んで出来た骨組に薄い板(表面材)で挟んだ「フラッシュドア」です。

フラッシュドアの構成 ドアの注文

 骨組みと表面材を合体させて造られたドアを「フラッシュドア」と呼び、この構造を「フラッシュ構造」と呼びます。
 フラッシュ構造は、ドアなどの建具に限らず、木製家具などにも幅広く使われている身近なものです。

製作の技術が進化し、しっかりとした造りになっていますので軽いのに丈夫で長持ちです。

フラッシュドア4つのメリット

フラッシュドアにはいくつものメリットがあります。
1.コストが抑えられる
重量のある扉は、製作時・輸送時・取り付け時などの各段階で負担が大きい為、輸送費や工賃が高くなってしまいます。また、重さに耐えられる金具類も高額です。
フラッシュドアの軽さであれば、運賃や施工費、材料費を抑えられます。

 

2.金具の消耗を抑えて長持ち
開き戸の蝶番、引戸の戸車のなど、建具には開閉に必要な金具が付いています。
重量のある建具は金具への負荷が大きく消耗が早くなります。軽量の建具なら、金具への負担も小さく長持ちします

 

3.施工性に優れる
軽量ですので、取付作業が楽にできます。一般的な高さ7尺(約2m)程度のものでしたら少人数での施工が可能です。

 

4.下地の補強が不要
 リフォームなどでドアを新しいものに取り替える際、重たい扉で下地の補強を無しに施工するのは危険です。扉が外れたり、垂れ下がってくる可能性があります。
 軽い扉でしたら、補強などの追加工事は不要です。
※経年劣化など、現場の状況などによっては補強工事が必要になる場合もあります

 

ドアの注文 オーダードア 引き戸の注文

框組みなどのドアに比べて、
フラッシュドアは軽量であることだけでなく、反りや狂いが出にくいというメリットがあります。
また、フラットパネルに加工を施すことで、框組みドアでは実現できない様々なデザインにすることができます

メリットいっぱいのフラッシュドアのことなら
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フラッシュドアはデザインに自由度があります

フラッシュドア デザイン ドアの窓

 『フラッシュドア』は平面な扉ですが、そこへ加工を施すことで様々なデザインを施すことが可能です。

・ステンドグラスなど、デザインのあるガラスを入れられる
・モール抑えやパネルなどを入れて、カントリー調のデザインにできる
・丸や三角、四角でも、様々な形の窓をくり抜ける

 框組みでは難しいデザインもフラッシュ構造なら可能になります。

画像の人工木材ドア”caw”についてのお問い合わせは
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フラッシュドアの中身

ドアの注文 オーダードア 引き戸の注文

もしもフラッシュドアの中へ芯材を目一杯詰め込んだ場合木のクセが出て反りが発生しやすくなります。重たくもなりますので、施工時の負担が増える上、使用時の金具の負担も大きくなります。

公共の建具のように、5mm幅の芯材を入れられれば重さも程よく反る心配も無いのですが、手間がかかる分、費用が格段に上がってしまします。

そこで、一般の住宅に最適なフラッシュドアには芯材を組んだ隙間に、ハニカムコアという材料が入れられています。

軽くて丈夫、ローコストな「コア」

ドアの注文 オーダードア ドアの中身

 弊社のフラッシュドアはもとより、多くのフラッシュドアには、「ハニカムコア」が入っています。フラッシュドアに限らず、家具にも多く採用されています。

 ハニカムコアは輸送や保管時には畳まれた状態ですので、輸送費や保管費を抑えることができます。
 ドア内部で伸ばし具合を調整できますので、ワンサイズで様々なドア幅に対応できます。

 これらの特性を活かして、コストを抑えたフラッシュドアが出来上がります

フラッシュドアのご相談はお気軽に
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「コア」の種類

 フラッシュドアに限らず、家具などの芯にも多用されている「コア」。用途や要求される強度によって使い分けられています。

 六角柱の集合体、四角柱の集合体、三角柱の集合体などがあります。

ハニカムコア

ハニカムコア

 「ハニカム」とは「蜂の巣」のこと。
 蜂の巣のように六角形を並べた形状をしています。

 軽くて強度があり、アルミなどの金属でできたものは、外装建材や航空機、人工衛星などにも採用されています。
 フラッシュドアや家具などに使われるものは、単板の紙製がほとんどです。

 輸送・保管は畳んだ状態でできるため、流通のコストを抑えられます

 ハニカム構造の用途として、流体の整流やフィルターなど様々な用途がありますが、ここでは割愛します。
 蜂の巣以外にも、自然界には亀の甲羅やトンボなど昆虫の目など、ハニカム構造のものは多く存在しています。

 「ハニカム構造」の定義としては「正六角形または正六角柱を隙間なく並べた構造」となっていますが、広義では後述の「バイアス型コア」など「正六角柱に限らず、立体図形を隙間なく並べた構造(三次元空間充填)」も「ハニカム」と呼ばれます。

バイアス型コア

バイアス型コア

 私、先日蜂に刺されまして、蜂は好きではないので話題変えます。(知らんがな)

 「(狭義の)ハニカムコア」が六角形の組み合わせであるのに対し、「バイアス型コア」は四角形の組み合わせです。
 こちらも輸送・保管時は折畳んだ状態ですので、物流コストを抑えられます

 六角型のハニカムコアよりは強度が劣りますが、フラッシュドアの芯材として使うには十分な強度が得られるため、フラッシュドアでは「バイアス型コア」が多用されています

三角形(波型)コア

波型コア

 段ボール箱の断面と同じ、三角形または波型の断面の紙製コアです。

 表面材との接着面の面積が稼げるため、接着性には特に優れています。また、他のコアと比べても圧縮に対する強度が高く、物流の緩衝材やパレットなどにも使われます。

 他のコアのように折りたたみができないため、輸送・保管性はあまりよろしくないですが、使用時に都度広げる(展張)する必要がないので作業性はいいと言えるでしょう。
 同一サイズのものを大量に使用するのには向いているかもしれません。

 多種少量生産専門の弊社では使用していませんが。。。

コアはなぜ強いのか

物体を破壊する力の例

 モノを物理的に破壊する力には、圧縮・引張・曲げ・せん断など様々があります。

 ここでは、フラッシュドアの内部空間を維持するという観点から、「圧縮」について考えてみたいと思います。

座屈

 板、もしくは棒のようなものの切り口の方向から押し付ける力(圧縮)をかけるとしましょう。
  そのままペシャンコに潰れるのではなく、まずは圧縮によってクニャンと曲がります。これを「座屈」と呼んでいます。
 そして、座屈による曲げの力で破壊してしまいます。

 薄いものや細いものの長手方向に圧縮の力がかかる場合、座屈により発生する曲げモーメント(曲げる力)で破壊されます

 フラッシュドアに使われる紙製コアは、薄い紙板を組み合わせたものと考えることができます。組み合わせてある、というのが重要。

 図の左、2枚の板を平行に立てた状態で力をかけた場合、座屈によりクニャンと曲がってしまいます。
 右のように2枚を直交させて押し付けた場合、お互いの板が支え合うことで座屈を防ぎ、潰れることを防いでくれます。

 フラッシュドアに使われているハニカムコアやバイアス型コアも、立体がいくつも組み合わせられているの形状なので強度が出る、というわけです。

丸みを出すと強くなる

 ダンボールやバイアスコアの断面などは、波型を平板でサンドイッチしている構造ですよね。こちらも、平板で波形や三角の頂点を支えることで強度を出していますが、それとは別のアプローチでも強度を出しています。
 先述の「三角(波型)コア」が特別強い理由です。

 フラッシュドアからは話がそれますが、おまけでちょっとだけ記しておきます。

 トタンやブリキ板など、真っ平らなものは自由奔放に曲がったり波打ったりします。言い方を変えると「腰がない」といったところ。
 そこで、建材などに使われるトタン板の多くは「波トタン」や「リブトタン」といった、凹凸をつける加工が施されています。これにより、強度が格段にアップします。

 平面ではなく立体にすることで強度を出すという手法です。

 また、角ばっているよりも丸みのあるほうが強度が高くなります
 力は、角に集中してかかり、そこから破壊されるためです。これを応力集中と言うそうです。
 丸には角がないため、力が全体に均等にかかり、破壊しにくいのです。地中に埋められて内部に高い圧力がかかる水道管が丸いのも、このためです。

 昔の軽自動車などは、軽量化のために薄い鉄板で車体を作らなければならず、車体デザインに丸みをもたせることで強度を出していたそうです。

強さと優しさと誠実さ

強けりゃいいってものでもなく

 丸が強いんだったら、フラッシュドアの中をピンポン玉みたいな球体で埋め尽くせばいい。というわけにもいきません。

 フラッシュドアにそこまでの強度は求められていませんし、球体では理論上、表面材との接着面積がゼロになってしまいます。
 平面と球体の接触面は点になります。点に面積は存在しません。あくまで理論上ですが。

 フラッシュドアの製作にあたっては、必要な強度もさることながら、材料の価格や施工性も重視しなければなりません。
 それだけでなく、サステナビリティ(持続可能性)に配慮した資材を使うことも求められています

  求められるのは「必要な強度を低コストで」というところです。
 材料費が安ければコストは下げられますが、施工性が悪ければ手間がかかり、コストアップになります。
 また、材料をケチるとコストは下がりますが、品質に影響が出かねません。

 ここのバランスを取ることが重要です。

環境に配慮した資材

フラッシュドアに使われるLVL芯材

 先程「サステナビリティ」というワードが出てきましたので、「環境負荷」の観点からフラッシュドアの中身について見ていきましょう。

 前述の「ハニカムコア」「バイアス型コア」などは、紙で出来ています。

 弊社の場合、フラッシュドアの外周や金具の下地などの木材は「LVL(単板積層材)」を使用しています。
 ベニヤ板と同じく、丸太を大根の桂剥きのようにして作られた単板を重ねて作られていますので、丸太(原木)を効率よく使えます
 また、建具用のLVLに使用される原木は、ほとんどがポプラなどの植林材を使用しているため、森林保護にも配慮しているといえます。

 フラッシュドアの表面は、化粧シートを貼った板です。
 この板も、弊社製建具のほとんどでは、木材のチップを原料とするMDF中密度繊維板)を使用しています。
 木材チップは
原木の大きさに関係なく作ることができ間伐材やリサイクル材も使用することができ、環境に優しいと言えるでしょう。

 また、フラッシュドアは内部が空洞であることから軽量であり、輸送時に発生するCO2の発生量を抑えることもできます。

 再生紙と植林材・木材チップを活用し、そのうえ軽量であるフラッシュドアは、環境負荷が比較的小さい建具と言えるでしょう。

加工材は狂いも少ない

 無垢材の框組み建具や障子などを多く生産している事業者さまがフラッシュ建具を製作する場合、框や障子の部材の木取りをしたあとの端材を加工してフラッシュの芯材にすることが多くあります。
 これも森林資源の有効利用という観点やコストダウンの観点からみても当然なことでありましょう。

 弊社のように、フラッシュ建具専門で事業をしている工場の場合、たとえグレードの低いものであっても無垢材を仕入れて挽いて削って芯材を作っていては効率が悪く、コストも上がってしまいます

 そこで、加工材であるLVLを採用することになるわけです。

 LVLは薄く桂剥きにした木材を積層することで、お互いの木の「クセ」を打ち消しあい、結果として「狂いの出にくい」木材が出来上がります

 元々フラッシュドアは異なる木材を貼り合わせてできているため、お互いのクセを打ち消し合うことで狂いの出にくい構造です。そこに「狂いの少ない」芯材を使用することでさらに狂いの少ないドアを作ることができます

 フラッシュドア専門工場ならではのメリットでもあります。

 さらに弊社の場合、特に反りの影響が出やすいハイドア(背の高いドア)では、反りを引き戻すバネの役割のあるガルバリウム鋼板をサンドイッチした芯材「CSB」を配合したり、反りの原因となる表面材の吸湿を防ぐ特殊防湿処理」を施した表面材を採用してドアの反りを防いでいます。

狂いが出にくい芯材LVLを使った建具

加工材のいいところ

 フラッシュドアの内部も表面も、加工材が多く使用されています。

 木材を加工するということは、そのことでCO2が発生するということにもなります。そこだけ見ますと、全然エコじゃない。にも関わらず、わざわざ加工材を使用するのには理由があります。

①品質が安定している
 無垢材では、含水率の変化などにより「割れ」「狂い」などが発生しますが、LVLや合板・集成材などに加工することにより、それらの変化を抑えることが可能となります。

②大きな材料が作れる
 例えばフラッシュドアの表面材の場合、幅は90cm、高さが2.4mなど大きな材料が必要となります。こんな大きな板材を無垢材(丸太から切り出しする)のはほぼ不可能です。まして節のない1枚板を切り出そうとなると…
 また、芯材も大きな板材を作り、それを必要な幅に挽き割って作られています。

③結果的にコストを抑えられる
 材料の製作に手間がかかり、当然そこにはコストも発生するわけですが、条件を満たす無垢材を探し出したりすることを考えると、加工材のほうが断然コストは安くなります

④森林資源を有効活用できる
 先にも述べましたが、原木を有効利用できる積層材やMDFを使用することで森林資源の有効活用することができます。

⑤供給が比較的安定している
 先に述べたように、木材チップを原料としているMDFや植林材を桂剥きして作るLVLは、無垢材よりも安定して供給することができます。

 このようなことから、フラッシュドアには加工された木材を多用しています。

一般の方からすると中身が多いほうがいいようなイメージがあるかも知れませんが、鯛焼きとは事情が異なります(笑)

実は、木芯を多く入れると木のクセなどで反りが出やすくなってしまうんです。
木の芯は少なく、空間はコアで埋めることが、フラッシュドアの反り防止に適した構造です。
資源も必要最低限の使用で済みます。

芯材も「LVL」などの加工材を使用することで、1本の芯材の中でも木のクセを打ち消し合い狂いの出にくいドアを作ることができます。

フラッシュドアのご相談はお気軽に
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