建具関連用語集

こちらの「用語集」ページをご覧頂く方の中には、建具のトラブルでお困りの方も多いかと思います。そこで、特に多い「お困りごと」と対処法について簡単にお伝えします。
なお、ランキングについては「発生頻度」「危険度」などを総合的に判断して掲載しています。
開き戸のドアノブには、ラッチという機構が内蔵されています。
この「ラッチ」が経年劣化で機能しなくなり、ドアノブを回しても開けられない事故が発生しています。
またドアノブやレバーが抜けてしまい、開けられなくなることも多くあります。
ドアノブの故障は、閉じ込め事故に直結します。トイレに閉じ込められて、どうにかドア本体を壊して脱出したという話もお聞きします。
ドア錠メーカーの業界団体「日本ロック工業会」では、建具錠の耐用年数を10年と定めています。これは、日常的にメンテナンスしているドア錠の取替の目安。
ネジの緩みがないか、操作に違和感がないかを日頃から気にしておきましょう。
おかしいな?と思ったら、すぐにでも取り替えてください。
違和感がなくても、古いドアノブは交換することをお勧めします。
地味ながらも、ドアの全重量を支え、開閉の動きも支える蝶番はとても重要な部品です。
ドアが閉まっている時は殆ど見えませんが、開閉時の異音はないか、ネジが緩んでいないか、時々チェックしてください。
開閉が硬いとか、ドアが枠に当たって閉まりきらないなどの不具合を感じたら蝶番の点検をしてください。建物自体の変形によるものの他、蝶番の劣化の可能性もあります。
蝶番が壊れてしまうと、ドアが開閉できないなどの不具合や、最悪の場合ドアが落下して倒れてしまい怪我をすることもあります。
ドア開閉時に「ギーギー」と音が出だしたとき、真っ先に思い浮かぶのは「蝶番に油をさす」ですよね。しかし、注油はあくまで応急処置。根本的な解決にはなっていません。問題を先送りにして油で汚れるだけです。。。
真因は「建付けの狂い」や「金具の劣化」です。
建付けが悪いまま使い続けると蝶番の消耗が早くズレが起きやすい為、やがてドア本体が枠に当たるなどして開閉できなくなることもあります。 ネジの緩みや建付けに問題がないか点検し問題がないようでしたら、蝶番が摩耗して劣化しているかもしれません。
蝶番の取替お薦めします。
引戸の開け閉めが重くなってきた。そんなときは、まず戸車の不具合を疑ってみましょう。
画像のように、戸車が髪の毛やペット毛、ホコリなどを巻き込んで車輪に絡まり、動きが悪くなることはよくあります。
このとき、真っ先に思いつくのが戸車に挟まっているゴミを取り除く対応。
多少は改善しますが、奥深くまで巻き込んだゴミを完璧に取るのは至難の業です。
戸車の回転軸の付近まで入り込んだゴミは、いくらピンセットを使っても除去には限界があります。また、戸車が摩耗して不具合が起きていることもあります。
作業の手間を考えると、新しい戸車に交換した方が早くて確実です。
引き戸を長く快適に使用するには、上吊り式引き戸に取り替えるのも1つの方法です。
開き戸の小口に埋め込まれている、ドアの留め金。
開閉時、三角形の出入りする棒。閉めた際、ドア枠にある「ストライク(ラッチ受け)」に入ることで、勝手に開かない状態になる。
扉を施錠するためのボルト。かんぬき。キーやサムターンで操作する。
(鍵の施錠・解錠の役割)
室内ドア用の簡易ロックでは、デッドボルトを持たず、ドアノブを回らないよう固定することでロックするものが多い。
片開きドア枠側に取り付けて、ラッチやデッドボルトを受ける金具。
枠の保護と、ラッチの確実な動作の補助の役割をする。
ロック機能のない錠前。(鍵が付いていないこと。)ドアノブを動かすだけで扉を開けることが出来る。
引戸でもロックのついていないものも「空錠」と表現することもある。
ツマミを操作することで部屋の内側からロックがかけられる錠前。
非常時は外側からもコインなどで解錠できるので、コイン錠とも呼ばれる。
主に寝室などの入り口に使われる。
ツマミを操作することで部屋の内側からロックがかけられる錠前。
空室時は青だったり、鍵を閉めると赤の色などの表示が出て、中に誰かがいることが分かる。
非常時は、外側からもコインなどで解錠できる。
主にトイレなどの入り口に使われる。
錠の室外側のこの部分。
非常時は、簡単な操作(コインなどを差して回す)で解錠できる装置。「コイン錠」とも呼ばれる。
錠の室内側のこの部分。
キーを使わずに施錠・解錠させるつまみ。回して施錠・解錠するものや、上下にスライドさせるもの、プッシュボタン式のものもある。
鍵を鍵穴に差し込んで施錠・解錠する錠前。
鍵穴に鍵を差込んで操作するもの。
室内用の簡易的なものは「簡易シリンダー」と呼んでいる。
これに対し、玄関、勝手口などの外回りなどで防犯性が要求されるものを「本締り錠」と呼ぶ。
正式名称は「蝶番(ちょうつがい)」。ヒンジとも呼ばれる。「丁双(ちょうそう)」と呼ぶ人もいる。
「蝶」と書くのが面倒だったのか、業界では「丁」と書く。「つがい」と言うのが面倒だったのか、「ばん」と読む。建具屋は短気なのだろうか。
開き戸や家具の蓋などの開閉の軸になる金物。建具では標準的な「儀星(ギボシ)丁番」、軽量用の「フラッシュ丁番(中抜き丁番ともいう)」、扉の付け外しが容易で施工性に優れた「旗丁番」などがよく用いられる。家具用では動線が特殊な「スライド丁番」や、長い「ピアノ丁番(長丁番)」なども使われる。
キッチン収納の扉やキャビネットの扉、下駄箱の扉などによく使われる丁番。
・バネの力でバタンと閉まるキャッチ付き
・開閉の力に全く抵抗がないキャッチなし
・戸を閉める際に途中からゆっくり閉まるダンパー付き
などがあり、開き角度やかぶせ量、大きさなど多種存在する。
取り替えの際は、カップサイズはもとより開き角度・キャッチの有無・サイズなどをよく調べた上で購入する必要がある。
押し引きするだけで開閉出来る開き戸に用いられる蝶番の一種。
手を離したフリー状態で「全開」または「全閉」状態になるように設定できる半自動扉に用いられる。
扉の自重を利用して設定の位置に戻る。
カウンタードア、スイングドア、公共施設や店舗などのトイレブースの扉などに使われる。
親子ドアの子扉の上下小口に取り付け、子扉が開かないよう固定する金物。
操作することでシャフトが飛び出して固定される。
洋風建築の「フランス窓」に付いている「落とし金物」であることから「フランス落とし」と呼ばれると言われるが、語源は定かではないようである。。
開き戸が開かないようにする錠の一種。
2枚の開き戸もしくは戸と枠を跨ぐように通す棒状の部材。
木材や金属製の棒が用いられる。
「関木(かんぎ)」「貫木(かんのき)」「関の木」とも呼ばれる。
大型のものは城郭や寺院などの門扉で見ることができる。
漢字で書くと「閂」。そのまんまの字である。
歴史は古く、弥生時代の倉庫の扉にはすでに使われていたようだ。
なんとも情けない感じの響きではあるが、開閉式の欄間(らんま)に用いられる金具。
窓を任意の位置で開き、止めておくことができる。
すべり出し窓にも同じような金具が用いられるが、こちらは「フリクションステー」と呼ばれることが多い。
障子や襖、木製引戸などの戸の上部に作られた切り欠き。
鴨居の溝にはまる部分。
雨戸の錠。昔の家はサッシやガラス戸がなく障子だったため、雨戸が防犯戸の役割をしていた。そのため錠が必要だった。
上部の鴨居に入るものを「上げ猿」、下部の敷居に入るものを「下げ猿」「落とし猿」、隣の雨戸と連結させるものは「横猿」と呼ぶ。
上げ猿の場合、猿を持ち上げ、寄せ猿(猫)を横にスライドさせることでロックが掛かる。
現代のサッシ雨戸の錠は、バネなどが内部に入っておりレバーや引き紐を操作することで施解錠できるが、これも「サル」と呼ばれている。
フラッシュドアやフラッシュ構造の家具などの小口面に貼る化粧テープ。エッジ材・エッジテープとも呼ばれる。
ロール状に巻き取られていることが多い。
厚みが0.5mm程度のものを「テープ」、1mm~3mm程度の樹脂製のものを「ローカン」と呼ぶことが多い。
「ローカン」の正式名称「ローカンテックス」はドイツ・レーハウ社の商品名だが、一般名詞的に通用している。
多くの場合はポリオレフィンや塩化ビニルなどの樹脂製だが、天然木の突板をテープ状にした「ファンシーロール」もある。
「ファンシーロール」は(株)ニチモクファンシーマテリアルの商品名。
片開きタイプの扉。
片側に付いた蝶番(ちょうつがい)を軸にして開く。
どんなお部屋にも合うが、設置には開閉時に可動域分のスペースが必要になる。
敷居の溝やレールの上を左右にスライドして開閉する扉。
日本の伝統的建築に使われる障子や襖なども引戸。
古来からある、戸の下のレールや敷居で重さを支える「下荷重式」の他、上から吊り下げる「上荷重式(上吊り戸)」のものもある。
引戸1枚だけの「片引戸」のほかに、開口に合わせて複数枚の引き戸を組み合わせることも出来る。
引戸1枚で構成される扉。
1本の直線上を移動するので、開き戸と比べて開閉の占有面積は小さいが
開口の左右どちらかにスライドさせる扉サイズの壁が必要。
日本の障子や襖のように、2枚以上の扉がそれぞれ別の敷居やレールの上を、左右にスライドして開閉される建具のこと。
上吊りレールに吊るされる形の上吊式引違戸もある。
壁の内部に引込めるようにした引戸で、スッキリした見た目。
引き残しがない場合は,全開にすると戸は壁の中に隠れてしまうので、
戸先側の小口に回転取っ手を取り付けて、戸を閉める際に引き出せるようにすることもある。
軽い力で開けられ、両手が塞がっていても身体で開けられるドア。「バタンドア」「バタン戸」と呼ばれることもある。
内・外の両側にスイングするタイプや、内側にだけスイングするタイプがある。
開き方のタイプによって丁番を使い分ける。
通常ドア(開き戸)の横に、幅の狭いドアを付け足したもの。
普段は大きい方のドア(親扉)から出入りし、家具の搬入などをする時には
小さいほうのドア(子扉)も開けて大きな開口を確保できる。
小さい方の子扉は、普段、上下についている「フランス落とし」で固定されている。
大きな物の搬入や、救急のストレッチャーなどを通したい場合に開ける事が多い。
丁番で連結された2枚の戸。2枚は同じ幅、または1:2程度の幅でペアになっていて、開くと連結部分を軸として折りたたむような形になる。
住宅用では、同じ幅の2枚が連結された折戸はクローゼットや間仕切り戸に、幅比率1:2程度のものは部屋の出入り口に使われることもある。
樹脂製やアルミ製のものは、浴室の扉として多く使われている。
※弊社では浴室の扉は製作しておりません。
路線バスの出入り口の扉としても多く使われている。
部屋の出入り口の扉として折戸を使用した場合は、一般的な片開き戸に比べて開閉のスペースが小さくなるメリットがある(図を参照)。
両開き(観音開き)の扉で、開けた戸が邪魔にならないよう、奥にスライドさせて収納できる扉。
仏間などに使用される。
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合板などの下地板の表面に、接着剤で化粧材を貼り付けること。
こうしてできた化粧合板を「練付合板」と呼ぶ。
化粧材は、天然木を薄くスライスした「突板」「単板」を指すことが多い。
扉の側面、切り口・断面のこと。
大きな面に対して垂直に接している細い面の部分。
大手・横手、どちらも「おおで」と読む。建具の側面に貼った板材。
フラッシュ戸は芯組に表面材を貼って作られており、
扉の断面を隠すために、厚さ4~5mm程度の木板を貼る。
この貼った板を大手と呼びます。
(現在は、厚さ0.5mm程度の樹脂または紙製、突板の「小口テープ」や、厚さ1~3mm程度の樹脂製の「ローカン」を貼ることが多い。)
大手材を貼ったあと、余分な部分を削り取る作業を『目地払い』と言う。
基本は表面材と面一までを削るが、
表面にクロスなどを貼る場合は、見切りとして数ミリ残す。
画像は目地払い前の大手。
木製フラッシュドアや木製家具のフラッシュ構造の内部に入れられる紙製の芯材。
ハニカム(Honeycomb)とは英語で蜂の巣の意。
ハニカムコアは蜂の巣のような六角形など、同一の立体図形(セル)を隙間なく並べた構造体。
自然界から学んだ構造で、軽量、高強度、高剛性、衝撃吸収性が高い。また調湿や断熱性能があり優れた性質を持った部材である。
ハニカムコアはフラッシュの芯材以外にも多くの用途があり、アルミや樹脂、セラミックなどの素材では航空機のボディやフィルターなどにも用いられている。
2液性接着剤の一種。
通常の2液性は、A剤とB剤を混ぜ合わせて使うが、「ハネムーンは触れあっただけで硬化する。」(出典:セメダイン(株)公式Twitter)
混合の必要が無いので、プレス時間が短時間で済み利便性が高い。
木工用以外にも、金属用のものなどがある。
接着剤や塗料、それらを使った建材などに表示されている、ホルムアルデヒド放散のレベル表示。
「シックハウス症候群」が問題により平成15年7月に施行された改正建築基準法で、シックハウスの原因である「クロルピリホス」「ホルムアルデヒド」の住宅への使用が規制されるようになった。
クロルピリホスの使用は禁止となり、ホルムアルデヒドは放散量により居室内装に使用できる面積が制限されるようになった。
F☆☆☆(スリースター)の建材は使用制限があり、床面積の2倍までとなっているが、F☆☆☆☆は無制限に使用できる。
現在では、ほとんどの建材や塗料、接着剤は「F☆☆☆☆」である。
その他、換気設備の設置も義務付けられるようになっている。
開き戸や家具の蓋など、建具に限らず様々なところで使われる、開閉の軸になる金物。『丁番』『ヒンジ』などとも呼ばれる。「丁双」と呼ぶ人もいる。
止まってる蝶(ちょう)のカップル(つがい)に見立ててついた名称のようです。
「番(つがい)」には、雌雄の組み合わせだけでなく、組み合わさっているものの「つなぎ目の部分」という意味がある。
なお、室町時代の辞書『文明本節用集』に「蝶番 テフツガイ」の記載があり、この頃には使われていた名称と思われる。
日本には「仏具」として伝来したと言われる。
画像は「節用集」(室町時代後期の写本)の「テフツガイ」の記載されたページ。「財宝」の項目に記載されているようだ。
引戸の鴨居や敷居で2本以上の溝がある場合、溝の部分と出っ張り(島)部分のサイズ表現。
大抵の溝幅は7分(しちぶ/21mm)で作られている。
「四分七(しぶしち)」は、島が4分(12mm)で溝が7分(21mm)。
引き戸を製作する時の戸の厚みを算出できる。
島+溝からクリアランスを引くと戸厚になる。
四分七で戸と戸の隙間(クリアランス)を3㎜取った場合、戸の厚みは
12㎜(島幅)+21㎜(溝幅)-3㎜(クリアランス)=30㎜(戸厚)となる。
島 |
溝 | クリアアランス (隙間) |
戸厚 |
|
三分七 |
9㎜ | 21㎜ | 3㎜ | 27㎜ |
四分七 |
12㎜ | 21㎜ | 3㎜ | 30㎜ |
五分七 |
15㎜ | 21㎜ | 3㎜ |
33㎜ |
窓の内側に障子を付ける場合など、上枠に深い溝、下枠に浅い溝とつけて溝の中へ落とし込む方式。
建具の他、家具や収納用扉、プレートのはめ込みなどに使われる。
出前の岡持ちの蓋のも用いられ、岡持ちを「ケンドン箱」と呼ぶことも。
上下に動くケンドン式に対し、左右に動くものは「やり送り」「行って来い」と呼ばれる。
ちなみに「けんどん【×慳貪/倹×飩】」を国語辞典で引くと、
「物惜しみすること。けちで欲深いこと。また、そのさま。」とある。
木質系の骨組の両面に、ベニヤ板などを貼り合わせて作られた建具。
内部は空洞が多いため、軽くて安価な建具が出来る。無垢材の框組み建具と比較して、反りや垂れ下がりが発生しにくいとされる。
「フラッシュ(flush)」とは「平面」の意。
従来は平面的なフラットデザインが多かったが、表面を彫りこみ加工するなどしてデザイン性に優れたものも生産できるようになっている。